「受注のための短期的な費用対効果で考えるなら、コンテンツ作りというのはそれほどいいものじゃない。なにしろコンテンツ作りには膨大なコストがかかる。コストとは俺たちの手間だが。そしてリターンは見えにくく、即効性は薄い」「じゃあなぜ、お前はそんなに回りくどいやり方をするんだ?」「理由は二つある。一つ目の理由は、評判だ。俺は評判を作りたい。お掃除のコツをたくさん知っている掃除屋さん、という評判だ。この評判はすぐには築けないが、それだけに、築き上げれば価値がある」

 

「おかしくはないさ。俺は世の中の役に立ちたいんだ。そして、役に立った見返りに受け取るものは、金銭とは限らない」「金銭とは別の報酬が得られると?」「そういうことだ。人々の役に立てているという充実感を得るために、俺は情報を発信している」「コンテンツが見られたり、人々に共有されたりすることは、そんなに充実感のあるものなのか?」「そりゃそうさ。ことによったら金をもらうよりも、認められた実感がある」
「そんなものかな。俺は金が儲かればそれでいいね。貢献だのいうものに興味はない」

 

世の中には、どんなことでもすぐに勘所をつかんで素早く上達する者と、そうでない者がいる。それはSEOにおいても同様だ。その男は要領が悪く、数年遅れで同じ業界に参入してきた後輩に対しても、優位を誇れたのはわずかな期間でしかなかった。男と後輩はどう違っていたのか。

 

その後輩は、何につけても要領が良かった。本業の覚えも早かったし、SEOもすぐに身につけた。独立した当時は下請け仕事が中心だったのに、それから数年経った今、自分でサイトを使って受注した案件を中心に仕事をしている。直接受注の案件は実入りが良く、またトラブルも少ない。